アンリ・ベルクソンは、フランスの哲学者。
代表作としては、『時間と自由』、『物質と記憶』、『創造的進化』、そして最後の著作となった『道徳と宗教の二つの源泉』が挙げられる。
ベルクソンは「哲学とは経験そのものである」と考え、事実に対してどういう態度であるべきかを探求した。最初は数学すなわち近代科学で説明できる経験的事実、次に近代科学で説明できない内的な経験的事実、そして神秘的な経験的事実と向き合っていった。ベルクソンは探求を通じて、内的経験や神秘的経験の事実は決して軽視すべきものではないと確信した。その上で近代科学が計量できない事実を排除することを強く批判した。
近代科学は決してあらゆるものを説明できる万能なものではない。そもそも経験は、科学で説明できないものも含まれる。ベルクソンは、そうした科学では説明できないような事実も事実として受け取る「素直な心を持つ」ことが何より大切だと人々に訴えたのである。
（『よき人々の歴史』より）

1859年　パリで生まれる。
1881年　高等教員採用試験合格。
1889年　文学博士合格。『時間と自由』発表。
1896年　『物質と記憶』発表。
1897年　コレージュ・ド・フランスの講師就任。
1890年　コレージュ・ド・フランスの教授就任。
1907年　『創造的進化』発表。
1914年　アカデミー・フランセーズ会員に推挙。スペイン、アメリカ使節として派遣。
1922年　国際知的協力委員会の議長に就任。
1927年　ノーベル文学賞受賞。
1932年　『道徳と宗教の二つの源泉』出版。
1937年　死後の出版物を禁止した遺言を発表。
1941年　81歳で死去。

（考え）大切なことは科学では説明できない事実を事実として認め、受け入れること。
（結果）数学すなわち近代科学で説明できる経験的事実、次に近代科学で説明できない内的な経験的事実、そして神秘的な経験的事実を体得した。

クロード・ベルナール、ギュイヨン夫人、聖女テレサ、十字架の聖ヨハネ、ソクラテス、プロティノス、パスカル、西田幾多郎、空海、司馬光、マティス、サン＝テグジュペリ

プージェ、西田幾多郎、小林秀雄

数学に熱中。高等中学校時代には、全国数学コンクールでの解答が数学年報に掲載されるほど高く評価されていた。

謙虚な姿勢で探求する生活。自分が気づいたことは、過去の偉大な人たちがすでに発見したことを言い換えているにすぎないと感じていた。
徹底的な経験主義者。大事なのは理屈ではなく、経験であるという姿勢をあらゆることに貫いた。したがって科学的かどうかは本質的な問題ではなかった。

ジャック・シュヴァリエ著『ベルクソンとの対話』（みすず書房）
（ベルクソン本人が自分の著作以外で唯一許した書物。ベルクソン自身も編集に関わる。）
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阿部祐太著『よき人々の歴史』（阿部出版）
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ベルクソン著、中村文郎訳『時間と自由』（岩波文庫）
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ベルクソン著、田島節夫訳『ベルクソン全集2　物質と記憶』（白水社）
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ベルクソン著、松浪信三郎・高橋允昭訳『ベルグソン全集4　創造的進化』（白水社）
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ベルクソン著、渡辺秀訳『ベルグソン全集5　精神のエネルギー』（白水社）
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ベルクソン著、矢内原伊作訳『ベルグソン全集7　思想と動くもの』（白水社）
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ベルクソン著、森口美都男訳『道徳と宗教の二つの源泉』全2巻（中央公論社）
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