よき人々の歴史

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ノイマン 1903-1957

John von Neumann

■ノイマンのプロフィール

ジョン・フォン・ノイマンは、20世紀を代表する数学者・科学者である。
分野の枠にとらわれることなく、多くの人と協力して、新しい定理や証明を生み出すと共に、次々と新しい分野を切り開いた。ノイマンの業績は、経済学のゲーム理論、量子力学の数学的基礎、原子力の開発など多岐に渡った。最も有名なのは、現在のコンピューターがノイマン型コンピューターと呼ばれているとおり、コンピューターの基礎となる動作原理を生み出したことである。
ノイマンにとって重要だったのは、「誰が」作ったかではなく、「何を」作ったかであった。地位や名誉、あるいは研究方法や分野などどうでもよかった。ただ「万人の幸せのために最先端のものを作る」、この信念を生涯貫き通した。
しかしそのためには、自分一人の力では不可能だとも考えていた。人々の協力と共に、見えない大きな力の存在があって初めて成し遂げられるという自覚を持っていた。ノイマンは、「成功は見えない力に支えられている」と考えたのである。
実際のノイマンからは、職人のような非常に謙虚な姿が浮かび上がってくる。それは奇行ばかり強調され、これまで見落とされてきた実像なのではないだろうか。
『よき人々の歴史』より)

■ノイマンの略歴

1903年 ハンガリーのブダペストに生まれる。
1931年 アメリカに渡る。プリストン大学客員教授就任。
1932年 『量子力学の数学的基礎』出版。
1933年 プリストン高等研究所教授就任。
1943年 「マンハッタン計画」に参加。
1944年 『ゲームの理論と経済行動』出版。
1945年 高等研究所でコンピューター開発開始。「一般経済均衡モデル」を発表。
1951年 米国数学界会長就任。政府各種委員会の委員に就任。
1952年 高等研究所のコンピューター完成。
1957年 54歳で死去。

■ノイマンの考えと結果

(考え)万人の幸せのために最先端のものを作る。
(結果)コンピューターの基礎となる動作原理を作る。

■ノイマンのネットワーク

○心動かされた人々・系譜

ウィルヘルム・オンケン、ヒルベルト、ニュートン、ガリレオ、アリストテレス、ゲーテ、ビスマルク星新一

○同時代の関連する人々

アインシュタイン、オッペンハイマー、ウィグナー、チューリング、フェルミ、ダンツィヒ

○才能

抜群の数学の才能を有していた。計算の名人と称された。話をしているうちに、他人の研究を一気に進めてしまうことがよくあった。
子供のころから記憶力に長けていた。ギリシア語とラテン語、歴史と数学の本を愛読。

○生活

研究一筋の生活。研究のことを考えていると、周りのことはお構いなし。
睡眠は毎日3、4時間。眠る寸前まで問題を考え、夢の中で問題を解いた。起きると夢の中で経験したことをノートに取った。睡眠も仕事の一部だった。
子供を大人同様に扱い、一緒に真剣に遊んだ。よその家に行ったときも子供たちと床をはいずり回ったり、パズルなどの玩具に取り組んだりした。

■ノイマンの参考文献

ノーマン・マクレイ著、渡辺正・芦田みどり訳『フォン・ノイマンの生涯』(朝日選書)
(数少ない日本語のノイマン伝記本)
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佐藤俊樹著『ノイマンの夢・近代の欲望』(講談社)
(ノイマンのコンピューター観について一部記述あり。)
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阿部祐太著『よき人々の歴史』(阿部出版)
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■ノイマンの著作

ノイマン著、井上健・広重徹・恒藤敏彦共訳『量子力学の数学的基礎』(みすず書房)
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ノイマン・モルゲンシュタイン共著、銀林浩・橋本和美・宮本俊雄・阿部修一共訳『ゲームの理論と経済行動』全3巻(ちくま学芸文庫)
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ノイマン著、パークス編纂、高橋秀俊訳『自己増殖オートマトンの理論』(岩波書店)
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