西田幾多郎は、近代日本を代表する哲学者。
日常生活を深く探求することで、最も深い哲学が生まれるという信念を持って、『善の研究』をはじめ多くの論文を発表した。
西田幾多郎は、実在するあらゆるものの根底には同一の統一力があると考えた。その統一力の源を、不変的或者または神と呼んだ。あらゆるものに命を与え、生きる環境を与えてくれるのが不変的或者だった。当然我々一人ひとりも、不変的或者によって生み出されて存在していることになる。
したがって、不変的或者とつながった真の自己を確信することは、不変的或者を確信することでもある。言い換えると、生きている自己を確信することは、生かされている自己を確信するということだ。
西田幾多郎は、このことの自覚こそ、「真の善」だと考えた。そしてこの自覚のためには、自己が本来不変的或者とつながっていることを「まず信じる」、これが出発点であり何より大切だということを、西田幾多郎は自らの生涯で体現している。
(『よき人々の歴史』より)
1870年 石川県宇ノ木で生まれる。
1893年 東京帝国大学選科卒業。
1894年 石川県尋常中学校七尾分校講師就任。
1896年 第四高等学校講師就任。
1897年 山口高等学校教務属託就任。
1899年 第四高等学校教授就任。
1909年 学習院教授、日本大学講師就任。
1910年 京都帝国大学文科大学助教授就任。
1911年 『善の研究』刊行。
1913年 京都帝国大学文科大学教授就任。
1928年 京都帝国大学教授定年退職。京都と鎌倉にて執筆活動。
1929年 京都帝国大学名誉教授就任。
1940年 文化勲章受章。
1945年 75歳で死去。
(考え)どこまでも直接な、最も根本的な立場から物を見、物を考えて人々に説く。
(結果)日常生活における根本理念を『善の研究』で示した。
鈴木大拙、北條時敬、ベルクソン、近衛文麿、木戸幸一、
数学的能力を高く評価されていた。関口開の高弟だった北條時敬に、個別に数学の指導を受けていた。論理的能力は目を見張るものがあった。
本の虫。小さいころ、土蔵の二階にあった祖父の漢文の書物をずっと読んでいた。以降も多彩な分野の書物を読み、研究につなげていった
。
研究中心の生活。いつも何かを思索していた。京都時代に思索のために歩いた道は哲学の道と名づけられた。第四高等学校では、ドイツ語で瞑想思索を意味する「デンケン」先生という渾名で呼ばれた。また日々研究ができる最もよい環境を求め、京都大学退任後は夏と冬は鎌倉で、春と秋は京都で過ごす日々を送った。
参禅生活。内面生活の充実のため、毎日打坐をして修行に励んだ。長期休暇の際には、金沢に戻る前に必ず京都の妙心寺を訪れて参禅した。
上田久著『祖父 西田幾多郎』(南窓社)
(孫である著者が西田幾多郎の研究生活について綴った伝記。)
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上田久著『続 祖父 西田幾多郎』(南窓社)
(『善の研究』以後の西田幾多郎の生涯を追う。)
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上杉知行著『西田幾多郎の生涯』(燈影舎)
(西田記念館館長の著者が、生涯だけでなく周りの人々についてわかりやすく説明。)
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阿部祐太著『よき人々の歴史』(阿部出版)
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西田幾多郎著『善の研究』(岩波書店)
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西田幾多郎著、上田閑照編『西田幾多郎随筆集』(岩波書店)
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西田幾多郎著『寸心日記』(燈影舎)
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西田幾多郎著『西田幾多郎哲学論集』全3巻(岩波文庫)
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上田閑照編『西田幾多郎哲学講演集―歴史的身体と現実の世界―』(燈影舎)
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