空海は、日本に密教をもたらした密教の正統第8祖。
弘法大師の名でも知られる空海は、日本に密教をもたらしたことで知られる。密教は歴代、唯一人だけに奥義を含めたすべてを伝承していく。空海はその継承者で、密教の正統第8祖である。空海は、密教を真言宗と呼んだ。
歴代天皇から厚い信任を得て鎮護国家の修法を行ったり、日本最初の庶民のための教育機関である綜芸種智院を創設するなど多彩な活動をした。また積極的に他教の人々や在俗の人々と交流し、真理を伝える教育にも尽力した。
空海は、「我々は本来、あらゆるものの根源である大日如来(だいにちによらい)と一体となって生きている。そのような真理本体とのつながりを体得することで、直ちに誰でも正しく幸せに生きることができる。それこそが真理と一致した生き方である。ただし、それは人に教わったり、説得させられてできるものではなく、各々が自分自身で気づかなければならない」とした。誰もが幸せに生きることを望んだ空海は、仏教の立場から、人々が真理に気づく手助けをしたのである。空海の著作には、どんな時代でも我々人間が立ちかえるべき不変の原則が書かれている。そして、今日を生きる我々が真理に気づく手助けをもしてくれている。
(『よき人々の歴史』より)
774年 讃岐で生まれる。
793年 修行僧になる。
797年 『三教指帰』著作。
804年 入唐。
805年 正当密教第七祖・恵果より伝授され、正当密教第八祖に。
806年 帰国。
815年 『弁顕密二教論』著作。
818年 高野山金剛峯寺建立。
819年 『即身成仏義』、『声字実相義』、『吽字義』。
823年 東寺を賜る。
828年 大僧都就任。日本初の庶民大学・綜芸種智院創設。
830年 『秘密曼荼羅十住心』および『秘蔵宝鑰』上進。
832年 高野山にて隠棲生活へ。
835年 61歳で死去。
(考え)人々に真理を認識してもらい、正しく幸せに生きてもらう。
(結果)政治、教育など多種多様な分野で、真理を説き、人々を幸せに導いた。
恵果、般若三蔵、最澄、嵯峨天皇、平城上皇、淳和天皇、橘逸勢、藤原三守
書の名人。嵯峨天皇、橘逸勢と並ぶ三筆の一人。独自の書体である大師流を生み出した。
唐語、サンスクリット語を習得。
詩の名人。漢文学史上で重要な、四六駢儷体や離合詩などによる作品を残している。
常に教育者。求められれば、誰でもどんなことでも行った。また身分に関係なく誰もがが真理の下では統合されると考え、藤原三守の協力を得て、日本で最初の庶民を対象にした教育機関である綜芸種智院を創立した。
自己を整えてこその生活。自分自身をきちんと整えてこそ人々の幸せのために活動できることを自覚していた。晩年には天皇に慰留されたものの、高野山に隠棲し、座禅生活を中心に、後進の育成や鎮護国家の修法を行った。
加藤精一著『弘法大師空海伝』(春秋社)
(書き下し文にした空海の言葉を中心にわかりやすくまとめられた伝記)
新品―amazon・その他のオンライン書店を調べる
古書―日本の古本屋・その他のオンライン書店を調べる
実店舗―その他の書店を調べる
齋藤孝著『齋藤孝の天才伝4 空海』(大和書房)
(空海の生き方や考えを現代にどう活かすかという視点から語られた空海論。)
新品―amazon・その他のオンライン書店を調べる
古書―日本の古本屋・その他のオンライン書店を調べる
実店舗―その他の書店を調べる
高木訷元著『空海と最澄の手紙』(法蔵館)
(空海と最澄の往復書簡を中心にまとめられた資料集。)
新品―amazon・その他のオンライン書店を調べる
古書―日本の古本屋・その他のオンライン書店を調べる
実店舗―その他の書店を調べる
松岡正剛著『新版 空海の夢』(春秋社)
(空海とその周辺について詳細に分析されている。)
新品―amazon・その他のオンライン書店を調べる
古書―日本の古本屋・その他のオンライン書店を調べる
実店舗―その他の書店を調べる
阿部祐太著『よき人々の歴史』(阿部出版)
新品―amazon・阿部出版・その他のオンライン書店を調べる