よき人々の系譜

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世阿弥 1363-1443

Zeami Motokiyo

■世阿弥のプロフィール

世阿弥は、室町幕府の将軍、足利義満や足利義教に仕え、今日の能を確立した能役者・能作家。
世阿弥は、「能は、人の心を愉快にし、感動を与え、幸せをもたらすもの」ととらえ、そのために能の演者は稽古を積むべきとした。
著書『風姿花伝』にある「秘すれば花」という言葉は、よく知られているが、間違って解釈されることも多い。世阿弥はいう。「人はことばですべてを伝えることはできない。こころからこころへ伝わるものこそが花である。そして、それはこころの芯から発するものである」と。
世阿弥はどのように考えて、能を追求していったのであろうか。
『よき人々の系譜』より)

■世阿弥の略歴

1336年 京都で観阿弥の子として生まれる。
1374年 将軍足利義満の前で観阿弥・世阿弥が能を演ずる。
以後将軍の寵愛を受ける。
1384年 観阿弥の死去により観世座大夫を継ぐ。
1400年 『風姿花伝』執筆。
1408年 将軍足利義満死去。
1420年 『至花道』執筆。
1422年 出家。観世座大夫を息子の元雅に譲る。
1424年 『花鏡』執筆。
1429年 将軍足利義教が世阿弥父子の仏洞御所における演能を禁止。
1432年 息子の元雅死去。観阿弥・世阿弥の血筋が途絶える。
1434年 佐渡に流される。
1436年 『金島書』執筆。
1443年 81歳で死去。

■世阿弥の考えと結果

(考え)常に人々をどうしたら喜ばせられるかと、舞台の上ばかりでなく、
日常のことにも心を配る。
(結果)時代を超えて多くの人々を喜ばせる能の確立。

■世阿弥のネットワーク

○心動かされた人々・系譜

○同時代の関連する人々

観阿弥、元雅、足利義満、足利義教、増阿弥、音阿弥

○生活

たとえ冷遇されても明るく、島流しにあってもその状況を楽しもうとした。

■世阿弥の参考文献

白洲正子『世阿弥』(講談社、1996)
(能を嗜んでいる著者だから理解できる世阿弥についての評伝)
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石井倫子『能・狂言の基礎知識』(角川学芸出版、2009)
(能の用語など世阿弥の確立した能を知る上で参考になる)
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折口信夫『死者の書・身毒丸』(中央公論新社、1999)
(死者の書は世阿弥の「当麻」「雲雀山」のモデルになった中将姫の物語)
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阿部祐太著『よき人々の系譜』(阿部出版)
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■世阿弥の著作

世阿弥(野上豊一郎・西尾実校訂)『風姿花伝』(岩波書店、1958)
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世阿弥(小西甚一編訳)『世阿弥能楽論集』(たちばな出版、2004)
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能勢朝次『世阿弥十六部集評釈』上・下(岩波書店、1940)
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