よき人々の系譜

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ミレー 1814-1875

Jean-François Millet

■ミレーのプロフィール

ジャン=フランソワ・ミレーは、19世紀に活躍した画家。
田園や農民の生活情景を描いた作品で知られる。代表作としては、《種をまく人》、《落ち穂拾い》、《晩鐘》などがある。
「農民画家」とされたミレーは、母国フランスよりもアメリカで熱狂的に支持された。日本でも明治時代末期にはミレー・ブームが起き、大変人気がある西洋画家であった。加えて日本では「道徳・信仰・清貧・農民」というイメージから、教科書をはじめ道徳的偉人として受け入れられてきた。
『よき人々の系譜』より)

■ミレーの略歴

1814年 フランス・ノルマンディー地方の小村グリュシーで生まれる。
1832年 父の計らいでシェルブールの画家ムッシェルのもとで学ぶ。
1837年 パリに出る。
1841年 ポーリーヌと結婚。
1844年 ポーリーヌの死。カトリーヌと再婚(正式に籍を入れたのは1853年)
1848年 《箕をふるう人》を官展に出品し、一定の評価を得る。
1849年 バルビゾンに移住。
1850年 《種をまく人》と《藁を束ねる人》を官展に出品。大きな話題に。
1853年 《ルツとボアズ》、《羊飼い》、《羊を刈りこむ女》出品。官展で二等賞牌。
1855年 パリ万国博覧会に《木を接ぐ男》を出品。
1858年 《落ち穂拾い》を官展に出品。
1859年 《晩鐘》 を官展に出品。
1867年 パリ万国博覧会にこれまで描いた傑作を出品。一等賞牌を得る。
1868年 レジオン・ドヌール(勲五等)を授けられる。
1875年 60歳で死去。

■ミレーの考えと結果

(考え)すべては当たり前でない。何でもないようなことも大切に実行する。
(結果)自然にならい、自然を描いた。作品は時代や場所を問わないものになった。

■ミレーのネットワーク

○心動かされた人々・系譜

ウェルギリウス、ホメロス、シェイクスピア、ミケランジェロ、ドラクロワ、プサン、徳川家康、セザンヌ、サン=テグジュペリ勝海舟

○同時代の関連する人々

デュマ、ナポレオン三世、ビスマルク

○生活

質素・倹約。日課をこなすように制作した。

■ミレーの参考文献

アルフレッド・サンスィエ(井出洋一監訳)『ミレーの生涯』(角川学芸出版、2014)
(ミレーと親しくしていたサンスィエによる伝記。再刊された文庫版)
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ロマン・ロラン(蛯原徳夫訳)『ミレー』(岩波書店、1959)
(大きな影響を与えたロランによる伝記)
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小林秀雄『小林秀雄全作品22 近代絵画』(新潮社、2004)
(日本を代表する批評家・小林秀雄による近代絵画論)
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ルイ・ファン・ティルボルフ編(二見史郎・辻井忠男訳)『ファン・ゴッホとミレー』(みすず書房、1994)
(図録。ゴッホの対比からミレーを考察)
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井出洋一郎監修『ミレーとバルビゾンの画家たち』(山梨県立美術館、1985)
(図録。ミレーと共にバルビゾンに魅せられた画家達を対比)
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井出洋一郎『「農民画家」ミレーの真実』(NHK出版、2014)
(既存のミレー像を整理した上で、画家ミレーの今日的意味を考察)
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B.マルシャン(羽見正美訳)『パリの肖像 19-20世紀』(日本経済評論社、2010)
(ミレーが活躍した時代背景。パリの状況を知る)
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阿部祐太著『よき人々の系譜』(阿部出版)
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■ミレーの作品

《箕をふるう人》
《種をまく人》
《羊飼い》
《ルツとボアズ》
《羊を刈りこむ女》
《落ち穂ひろい》
《木を接ぐ男》
《晩鐘》
《くわを持つ男》