よき人々の系譜

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ヤスパース 1883-1969

Karl Jaspers

■ヤスパースのプロフィール

カール・ヤスパースは、ドイツの実存哲学の代表者として知られる哲学者。
人間は限界状況に直面して自らの有限性を自覚し、超越者の存在を感じることができるとした。ヤスパースは、実存をこの超越者との関わりからとらえた。西洋哲学の立場ながら、東洋哲学への理解が深かった。とりわけ日本では1930年代から研究が進み、東西共通の問題を我々に意識させ、東西の哲学が合流する手引きとして位置づけられた。
幼いころから病気に悩まされていたヤスパースは、医者となり、患者の立場から研究を行っていた。精神病理学や心理学の研究に取り組み、心の奥深い部分まで探求するようになって哲学者になった経歴を持つ。ヤスパースにとって哲学とは「いかに幸せに生きるべきか」の探求であった。
『よき人々の系譜』より)

■ヤスパースの略歴

1883年 ドイツ北部のオルデンブルクで生まれる。
1901年 慢性の気管支拡張症と診断される。
1902年 法学部から医学部に転部。
1908年 医学博士取得。ハイデルベルク大学精神科病院の助手に就任。
1910年 ユダヤ人のゲルトルートと結婚。
1913年 『精神病理学総論』発表。心理学教授資格取得。
1922年 ハイデルベルク大学で哲学正教授就任。医師から哲学者に転身。
1933年 ナチスにより大学運営職務から排斥。以後国内で妻と監禁生活。
1935年 『理性と実存』出版。
1937年 大学教授免職。
1945年 12年に渡る監禁生活が終わる。大学職務復帰。『責罪論』出版。
1948年 スイス・バーゼルに移住。バーゼル大学教授に就任。
1949年 『哲学入門』の講演を行う。
1959年 エラスムス賞受賞。
1969年 86歳で死去。

■ヤスパースの考えと結果

(考え)幸せに生きるという結果を出すためには、方法はどんなものでもよい。
(結果)分野、東西を超えた世界観を提示。

■ヤスパースのネットワーク

○心動かされた人々・系譜

ウェーバー、孔子、ソクラテス、プラトン、デカルト、仏陀、龍樹、ダ・ヴィンチ、スピノザ、イエス、道元ブランクーシ

○同時代の関連する人々

ウェーバー、ハンナ・アレント

○生活

12年間秘密警察とナチス当局に常時監視されて暮らす。ひたすら慎重に目立たぬように生活し、思索に没頭した。

■ヤスパースの参考文献

重田英世『人類の知的遺産71 ヤスパース』(講談社、1982)
(ヤスパースの思想と生涯についてまとめられている入門書)
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阿部祐太著『よき人々の系譜』(阿部出版)
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■ヤスパースの著作

カール・ヤスパース(重田英世訳)『哲学的自伝』(理想社、1965)
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カール・ヤスパース(林田新二訳)『運命と意志 自伝的作品』(以文社、1973)
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カール・ヤスパース(草薙正夫訳)『理性と実存』(理想社、1972)
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カール・ヤスパース(林田新二訳)『白水叢書26 哲学とは何か』(白水社、1978)
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